家政婦だって、恋したい
その表情から、拓哉さんの苦労が少しばかり見えてくるようだった。
「拓哉、久しぶりね。」
私と拓哉さんが話していると、麗奈さんが近付いてきた。
碧斗さんはというと、支配人らしい白髪混じりの男性と話をしているようだった。
(本当に綺麗な人だなぁ…)
麗奈さんを近くで見ると、同じ女でも見惚れてしまうほどだ。
「ああ、久しぶりだね。」
爽やかに答える拓哉さん。
麗奈さんも釣られてにこやかに笑うと、私に向く。
「…そちらのお嬢さんは?」
「初めまして。加住結衣と申します。」
私は、礼儀良くお辞儀をした。