家政婦だって、恋したい
「碧斗の恋人だよ」
ドキンッ!
私は、拓哉さんが付け足した言葉に、麗奈さんにバレてしまうのではないかとヒヤヒヤして俯いた。
「…え?碧斗の恋人ですって…?あの、碧斗の…?」
やはり麗奈さんは、碧斗さんが女の人をどう思っているのか、知っているようだった。
相当驚いているのか、疑わしそうに私を上から下までじろじろと見る。
「そう、あの碧斗の。」
拓哉さんは、自信満々に笑顔で答える。
(た、拓哉さん…どうしてそんなに嘘がお上手なんですかっ)
私が拓哉さんに目をやると、視線に気付いた拓哉さんが、私に顔を向けて笑った。