家政婦だって、恋したい
「じゃぁ、私はお客様の所に戻るわね。」
俺に近づいてそう言った麗奈は、何やらメモを渡してきた。
驚いて麗奈を見ると、麗奈はにっこりと微笑み、景色を眺めている結衣に「ごゆっくり」と告げて、部屋を出て行った。
「そんじゃ、俺も一旦部屋に行って、荷物置いて来るわ。」
拓哉も麗奈に続いて部屋を出て行ってしまう。
部屋には、俺と結衣の二人きり。
俺たちは何を話すでもなく、部屋は静寂に包まれ、備えられている露天風呂の水音だけが響いていた。