家政婦だって、恋したい
そしてふと、先程麗奈から貰ったメモに目を遣る。
【今夜23時に1階ロビーに来て】
メモにはそう書かれていた。
俺は読むと直ぐにクシャッと丸め、屑籠に投げ捨てた。
「碧斗さん、このあとの予定を伺ってもいいですか?」
声がして結衣に視線を移すと、
テーブルに置いてあった、この辺の観光案内のガイドブックを読んでいた。
「何?行きたいところでもあった?」
「い、いえ!そういう訳じゃなくて!私に出来ることはないのかと思いまして٠٠٠」
開いていたガイドブックを、慌てて閉じてテーブルに置く結衣。