もしも、もしも、ね。


「それじゃ、結果発表しまーす!」



じゃじゃん、なんて自分で言う望果。

手には小さなクマ型のメモ。

確か今年の誕生日に私がプレゼントしたやつ。

使ってくれてるんだ、と少しにやけそうになる顔を必死に押さえ込みながらクラスに響く声に耳を傾ける。



「えーっと、クラスには5つのグループに分かれてもらいます。

アリス組、ファンタジー組、白雪姫組、ホスト・ホステス組、動物組。」



何個かおかしいぞ。

私の心の声を音にする一部のクラスメート。

頷く全員。望果は「まぁまぁ」と気楽そうに笑って説明を開始した。

アリスは、言わずと知れたアリス、ウサギ、ハートの女王エトセトラ。

ファンタジー組は、妖精や天使、悪魔、吸血鬼・・・たぶんハロウィンの仮装を想像してくれればわかりやすいそうだ。

白雪姫は、姫と王子に継母、猟師、小人エトセトラ。

ホスト・ホステス組はそのままだけど・・・色々危険オーラ。(先生の許可取れるのか?)

動物組は、動物耳を付けるらしい。が、それだけじゃつまらないから服装はメイド&執事だそうな。

どれにもなりたくない、そう思ったのは私だけだろうか。

(恐るべし、コスプレ喫茶!)


ちなみに、余談だけど、こんなにやりたい放題して服は作れるのかっていうのは、

クラスメートの両親が、呉服店をやっているらしい。

そしてその呉服はコスプレ系専門だとかなんとか。

コスプレ喫茶をやると知ったら、喜んで無償で奉仕するわ!と言ってくれたらしい。(それで儲かるの?)



「まずアリス組ー。アリスは水上さん、うさぎは佐々木君・・・」



アリス組にて、私の名前は呼ばれなかった。

ファンタジー組にも。

何故か白雪姫組は飛ばされてホスト・ホステス組に移る。

(ちなみにここで呼ばれた人達は、悶絶の悲鳴を上げていた。ご愁傷様。)

動物組も呼ばれ終わる・・・って、あれ?私の名前ないぞ?


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