もしも、もしも、ね。
「最後に白雪姫組ー。」
望果がこっちを見る。
目線が合う。
「白雪姫ー。」
にやり、と望果が笑った。
ひやり、と私の背を冷や汗が伝った。
「桜野暁里。」
こういうことか!!!!
さっきの脅しを思い出し、私は小さく机の脚を蹴った。
(隣の河野君が驚いてこっちを見る。ごめん、と手を合わせた。)
「続いて王子役ー。」
何故か。ほんっとうに何故か。
クラス中の視線は一点に集まる。
「篠田裕哉ー。」
やっぱり!!
思わず机の脚をさっきより強く蹴った。
(隣の河野君がまたこっちを見、後ろの渡部さんが驚いた声を上げる。ごめん、と手を合わせながら頭を下げた。)
前で望果とユウが話していた光景を思い出し、望果を睨み付ける。
けれど彼女はわざとらしく視線を反らした。
図ったな、望果・・・ッ!!!
ユウがこっちを見た。
苦笑いを返したつもりだったけど、顔の筋肉が引きつって出来ていたかは分からない。
あまり顔を合わせたくなくてすぐに視線を望果に向けた。
「んで、継母ー。あたしー。」
望果が継母?(迫力なさそう、と言ったら怒られそうだ。)
(いや、腹黒さで言えば適任か?)
(あ、それを言っても怒られるな)
「猟師ー。佐久間准ー。」
ホント笑えないほど狙ってるよね。望果。
笑えなさすぎて、逆に笑えてくる。みたいな。
その後続けた発表された小人役はなっち達じゃなかったけど、少なくとも荒川さんグループの子じゃないことに安堵した。
「~~~ッ!!異議あり!!!」