もしも、もしも、ね。
ばんっ!!と机を叩いて立ち上がったのは、荒川さん。
ガタガタと音を立ててその友達軍団(通称“裕哉ぁ”グループね)も立ち上がる。
「そりゃそうだよなぁ」と思って私は小さくため息をついた。
「桜野さんと裕哉が白雪姫と王子なんて出来すぎてるよ!!
そのアミダ作ったの宮崎さんだし、二人と仲いいからってずるい。」
「そうよ、宮崎さんと准まで同じグループなんて偶然じゃないし。」
「それに望果、裕哉と桜野さんに何か言ってたじゃん。図ったんでしょ?」
無効よ!!と主張した彼女たちは、何故か私を睨んだ。
正直矛先は私じゃなくて望果だと思っていた私は出かけた欠伸が止まって目を白黒。
えぇ、ちょっと!私だって図られた被害者なんですけどッ?
(普通彼女なら王子が彼氏で喜ぶのか?)
(私はユウの姫だなんてまっぴらごめんだけどね!!冗談じゃない!)
一方の望果と言えば、バレバレなのに平然とした顔をしている。
「偶然だよ?」
「だからどうして!!」
「だって。」
望果は模造紙を上げて見せた。
さっきより・・・横棒の本数が増えてるのは目の錯覚?
(いや、目に見えて増えてる!)
「ともちゃんとなっちと本数増やしたんだもん。」
荒川さんは「嘘!」と叫んで走るように前に行く。
そして指でアミダを伝っていく。
「本当に桜野さん白雪姫だ・・・。」
わぉ。
・・・とは、言いたいところなんだけどね。
それだって計算して線を引けば、いくらだって好きな所に持って行けるんですよ。
(それで騙される荒川さんを初めとしたクラスメート達大丈夫か?)