もしも、もしも、ね。
「こんなんじゃ参加出来ねぇよなー。」
「宮崎ー。悪いけど俺ら出ねぇわ。」
「はぁ!?それは困るんだけど!!」
火の粉はこっちにまで。
今の言葉には望果も耐えられなかったらしい。
慌てて口を開いて、彼女は今乗っているロッカーからぴょんと飛び降りて彼らの元へ向かった。
「クラス全員でやってんだろ。
それくらいで出ないなんてガキじゃねぇんだからさ。」
呆れたような口調で口を挟んだのは准君。
普段は明るい准君の声のテンションがすごい下がってる。
その超正論ぶりに心の中で私は拍手を送るが、
一方同じ男子としては多少なりとも馬鹿にされたことにむっとしたらしい。
「なんだよ、佐久間。」
「お前も女の味方すんのかよー。」
「ばぁか、ちげぇよ。佐久間は宮崎の味方してんだろ!」
佐久間は宮崎が好きだもんな。
そんな事をにやにやしながら言い出す彼らに「な!」と准君が声にならない声を上げる。
「つーかさ、出たいヤツだけ出ればいいんじゃね?」
「そーそー。後、責任とって篠田も強制でさぁ。」
ガハハ、と下品に笑うそいつらにイライラ、イライラ。
私は荒川さんに目を向ける。
すっかり泣き止んでる。(っていうか化粧乱れてないんだけど・・・泣いてたの?ホントに?)
自分から話題がそれたからか、グループの子達と談笑中の彼女。
へこんでるらしいユウ。
必死な望果と、
カッとなってるらしい常識人准君。