もしも、もしも、ね。


「ここまでの努力、数人のわがままのせいでつぶせるわけがないでしょ。

大体さ、前日に気付くってどうなのよ。意見があるならそれまでに言えばよかったじゃない。」



ま、今の今まで視界に入らないほど興味なかったんでしょうけど?

そう言いながら、私は腕を組んで彼らの前に立った。

数歩後ずさる彼ら。

バツの悪そうな顔は、自分たちの幼さに気付いたからなのか。私が言いすぎてるからなのか。



「文句言う前に案出してみたらどうなのよ。

布を裏返して使ったら柄が薄く見えるんじゃないかとか、風船の色を選んでみたらどうかとか。

ここで表に出るの恥ずかしいから裏方と宣伝をやる、なんて参加方法だって別にあるでしょ?」



文句だけなら赤ちゃんにも出来るわ。

そう付け足しておく。



「正直私もこんな女の子女の子した部屋は苦手だけどね、

それでも2Bは楽しいって体育祭で知ったから文化祭でも楽しみたいのよ。

だから文句一つ言わずに装飾してんの。」

「・・・。」

「―――ごめん、今のは自分でも無関係なこと言ったわ。」



支離滅裂だ、と思ったと同時に訪れた沈黙。

みんなもそう思ったのかなと思って最後謝罪を付け足したら盛大にずっこけられた。

そのリアクションに我に返る。



「え?なんか変なこと言った?」

「い、いや、そうじゃねぇんだけど・・・。

つーかさ、桜野別に委員でもなんでもねぇじゃん。

なんでそんな口出して来るんだよ。」

「私本来買い物担当だったのに、荒川さんに任せちゃったから責任あるの。」



こんな部屋になるだなんて分かってたらユウと買い物してたわよ!

と少し後悔したぐらいなんだから。

(だってメイド喫茶?ネイルサロン?みたいな部屋なんだもの。)


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