もしも、もしも、ね。

最近の私はおかしい。

すぐに嬉しくなったり、

すぐに悲しくなったり、

すぐに怒ったり、

すぐに楽しくなったり。

赤くなったり、苦しくなったり、切れたり。

私、こんな風じゃなかった。

「可愛くない」なんて、気にしたことなかったのに。(自覚症状なら前からあったけど)



ちらり、とユウを見る。

ユウはすぐに私に気付いて「ん?」と首を傾げた。

「なんでもない。」と反らすとユウはまた笑った。

その声が耳に入っても、嫌だと思わなくなった。



“クールで一匹狼な優等生、桜野暁里”は、どこに行ったのよ。

と思っているのはきっと私だけじゃない。



け れ ど 。



―――・・・嫌いじゃ、な い。

感情があって、よく喋って、友達とつるんでる、“私”も。

違和感こそあるものの、「嫌い」じゃない。

こんな“私”がいることを私は知らなかった。

私は変わったの?

それとも“私”は私の中にいたの?



「ユウ?」

「何だよさっきから。」

「私、って。どんな人?」



そう聞いてユウの顔を正面から見つめてみる。

何言ってるんだ、って思うのかな?


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