もしも、もしも、ね。


***





「暁里―。3番テーブルお願い。」

「はぁい。」



数時間前、私に降りかかる不幸の数々にいらだちながらも私は仕事をこなしていた。

文化祭開始と同時に開店、そして約2時間ちょっと。

1時間半ごとに店員がホストだアリスだ・・・と変わっていくこのコスプレ喫茶は、

高校では中々許可の出されない出し物であるからか、

他校の生徒も興味深々で集まってきていて大繁盛。

そして私達、白雪姫グループに順番が回ってきて1時間。

やっぱり客足が途絶えることもなく、むしろその数は増して行き、私達は引っ切り無しに走り回っている。



「すいませーん、オーダーお願いしまぁす。」

「あ、はーい。」



オレンジジュースとホットケーキ、紅茶とクッキーを運んだ後、頼まれるオーダー。

私は見えないようにため息をついてそのテーブルに向かった。

本当は、こんなに大変なわけはない。

だって、込んでるとは言えあくまで学校。教室1つ分の広さ。

机だって、8組くらいだけだ。

廊下に待ってる人の対応&勧誘に1人、裏方に2人、ホールに4人、レジに1人。

人数だって一番多い。

なのに、私がこんなに走り回る理由は。


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