もしも、もしも、ね。

*2*



「じゃ、まずは腹ごしらえと行きましょうか!」



そう言った望果にはもう誰も勝てない。

だって、デレデレの准君と、半分脅されてる私、そして自分の考えに加勢されて助けられたユウ。

もうここは望果の独壇場だ。



「それで、望果。そろそろ話してくれないかな?」

「あー、射的だって射的!やろうよー。」

「ちょ、望果・・・。」



この会話を繰り返すこと数回目。

見事に釣られ学校内をダブルデートする私は、

さっさと本題を聞き出して帰りたいのに望果にはぐらかされてばかり。

追求しようとするたびに、

「言ってやるかボケ。」とドスが聞いた声が聞こえてくる望果の微笑みや、

「よっしゃやるぞー」なんて空気読まない准君の発言、

そんなものに邪魔される。

(ちなみに、今は前者のはぐらかしを受けた)



「はぁ。」

「幸せ逃げるぞ。」

「アンタといる時点で逃げ切ってるわ。」



教室に入り射的を楽しむ望果と准君。

教室入り口で壁に寄りかかりながら2人を待つ私とユウ。

私の言葉に、ユウは笑った。


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