もしも、もしも、ね。
なんだか、嫌な予感もするし。
(いやいや、ユウなんかとこうしている時点で嫌なんだけど)
この後なんか起こるかと思ったら憂鬱で仕方ない。
はぁ、とため息をついたら、
「はははっ」
と上から笑い声が降ってきた。
もちろん、笑ってるのは、
「人の不幸を笑うなんて悪趣味ねぇ、ユウ?」
ユウで。
私は嫌味100%の笑顔を向ける。
彼は「悪ぃ」と口を押さえ、反対の手で私の頭を軽くぽんぽんと叩いた。
「お前、可愛いとこあんじゃん。」
「か・・・っ!!!!!」
私は声にならない声をあげて、ユウの手を振り払った。
か、か、か、可愛いとか!
何言うんだ、こいつ!!
「あれ?照れた?」
「照れてない!!」
そう叫んで睨みつけるけど、顔がなんとなく、熱い。
ユウはふーんなんて言いながらにやりと笑って、
それからまた「そんなとこも可愛い。」なんて言う。
もっともっと私の顔が熱くなる。
わかってるんだろう、こいつは。
あぁ、なんて意地の悪いこと。
「お世辞なんていらない!」と顔を背けた。