もしも、もしも、ね。


『『『『『『『『『『おめでとーっ!!!』』』』』』』』』』

「「は?」」



教室に入った瞬間、鳴り響くクラッカーの音。アーンド拍手。

それと、多数の見慣れた顔ぶれ。

皆にやにやとした笑顔を貼り付けている。



「またまたぁ。隠してたなんて水臭いじゃん!」

「は?何言ってんの?」

「えー、まだはぐらかす気ぃ?」

「・・・まさか・・・。」



クラスではまだ仲が良い方の望果(もか)が私の肩に腕をかけた。

その笑顔は・・・やっぱり“にやにや”。

冷や汗が伝った。

頭の中で、ネオンサインのように「まさか」の文字がキラキラしている。

篠田を見上げれば、悪魔のような微笑み。


覚悟を決めたら「言ってよ。」って追求しようと思った。

でも、それは叶わなかった。

え?理由?



「暁里が篠田君と付き合ってたなんて知らなかったよ〜。」



って、サラリと望果が言ってくれちゃったりしたから。

深呼吸する暇もない。覚悟なんてできやしない。

点滅式のネオンが、単調点灯式のネオンに変化。イコール確定。


望果の言葉に、教室中がまたワァーッと声を上げた。

冷やかしの声、口笛と指笛。

望果は体育委員で、うちの学校名物ダンス部の副部長な、超元気っ子。

子うさぎみたいな容姿と、自然体で明るい笑顔を持っているのでクラスどころか学年中の人気者だ。


だから、望果の発言にみんながよりいっそう反応したってわけ。





なーんて。解説してる場合じゃないのよ。

え?は?なんで!!?

なんでクラスにこんな人が残ってるの?なんでみんなもう知ってるの?

どう考えたっておかしくないっ!!!?


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