もしも、もしも、ね。


「ズバリ、また喧嘩なのでしょー!」

「またって・・・。」

「おやおや。
体育祭、文化祭準備、その他もろもろ、君達が出会ってからは喧嘩が絶えないように思うけど、ベイビー。」



今度聞こえてきた声はユウ側。

この喋り方は花輪君だろうか・・・いつのまにちびまる子ちゃんブームが来たのだろう。

声の主、准君はおもちゃのタバコを右手の指の間に挟み、

左手で思い切りユウの首を羽交い絞めしていた。

あれも景品なのだろうか。

(ただ言っておくが、花輪君はあんなあくどい絡み方はしない)



「け、喧嘩なんてしてないよぉ。」



噴き出すのをこらえる私。

学校中の女生徒のみなさーん。

あの篠田裕哉がまさかの藤木(卑怯者)チョイスですよー。



「藤木君はそう言っていますが、ズバリ真相は!」



ズバリズバリうるせー。

調子に乗ってマイクに見せかけた拳を私に突き出す丸尾君(基望果)。



「別に喧嘩なんてしてないわよ。」



そう答えたら、丸尾君(基望果)がガクンと崩れ落ちた。

え?何か駄目だった?



「んー、セニョリータ。ここは乗ってほしかったなぁ。」



ばっちりウインクを決めるブラック花輪君(基准君)

「そ、そうだよぉ!」などという藤木(卑怯者)は置いておく。


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