もしも、もしも、ね。


最低な女になるしか、なかった。

また嘘を重ねるの?

そんな声が聞こえた気がした。

聞こえない、フリをした。

なのに。



「この嘘つき女。」

「なっ・・・!!」



私の言葉は、あっさりと篠田に切り返されて。



「声裏返ってんだよ、お前自分が嘘つくの下手な自覚そろそろ覚えたら?」

「じ、自分が嫌いって言われたのを嘘だなんて、篠田もずいぶん自意識過剰よね。」

「ちげぇよ、別に俺のことを嫌いなことを嘘だっつってんじゃなくて。

俺とアイツが似てるから、って方否定してんだよ。」



篠田は嫌い。

こうやって、変なところに鋭いから。



「篠田は陸斗のことなんも知らないくせに。」

「じゃぁ、俺とアイツの似てるところ言ってみろよ。」

「まず、モテ「客観的なことじゃなくて、内面的なことな。」

「!!」



逃げようとした私の言葉。

先手を打たれて唇を噛む。



「お前は頭いいヤツ全員嫌いだとか、スポーツできるヤツ嫌いだとか、

そんな妬み嫉みを持ったひねくれたヤツじゃないだろう?」



あぁ、ほら。篠田は、いつの間にそんなに私のことを知るようになったの。



「女を泣かすとこ。」

「泣かす意味が違ぇだろ?

俺は好きになれない女はきちんと振ってるっつーの。」

「性格が悪い。」

「性格が100%良いヤツなんかいるかよ。抽象的だから却下。」

「プライドが高い。」

「へぇ、フォローしてもらったからって頭下げる男が。」

「自尊心が強い。」

「普通に妬みの塊だっつーの、俺。」



他には。

他に、は・・・。


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