もしも、もしも、ね。


「ふーん・・・。」



小さく呟いたと思ったら、突然距離を縮めて手を私に伸ばす。

私は思わずばっと身を引いた。



「何する気よ。」

「頭撫でてみようとした。ダメ?」

「たぶん平気。」



―――うーん、私かなりわがまま。


なんて説明すればいいんだろ。

このOKとNGの境界線を。

私が頭を悩ましながらもそっとユウを見上げれば、

宙で止まった手を自分の方に戻しながら「大丈夫」と微笑まれる。



「なんとなくわかるし。

出来るだけ気をつけるけどさ、嫌だったらその場で言えよ。」

「あー・・・うん、ありがと。」



話終了。

訪れる沈黙。

ぶっちゃけ、超気まずい。


が、先に口を開いたのはユウだった。



「こんなにすぐこの話はどうかと思うんだけどさ。」

「ん?」

「いつまで続ける?コレ。」

「恋人ごっこ?」

「そう。」



恋人ごっこの終わり。

それはすなわち、私と彼が別れる、ということ。

恋人ってどれくらいで別れるのかな。

私、今まで1人としか付き合ったことないもんな。

そういうのって、モテるユウの方が詳しいんじゃないの?


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