もしも、もしも、ね。
「そう言ってたって何も変わらないって、
何年経っても自分を苦しめるだけだって、
そう陸斗のヤツで学んだんじゃないの!!?」
「・・・!!」
「陸斗のヤツのことが苦しいなんて言うなら!
どうしてまた苦しくなるようなことするの!!
今も後悔でいっぱいのくせに、後悔したらずっと引きずるって分かってるくせに!!
そうやって逃げるんだ。
アンタは悲劇のヒロインじゃないんだよ、このバカリ!!!」
望果の言いたいことに。
望果の勢いに。
望果が・・・泣いていることに。
私は思わず息を呑んだ。
「気持ちが変わるのは当たり前のことなんだよ、暁里。」
「・・・。」
「気持ちが変わることは今までの自分を否定することじゃないんだよ。
今までの自分がいるから今の暁里がいるんだから。
今までの苦しかったり、悲しかったり、辛かったりした暁里は全部必要なものだったの。
気持ちが、意識が、変わるって言うのは・・・。」
ねぇ、望果。
私、その言葉を待っていたのかな?
「暁里がちゃんと前を向いて、生きているってことなんだよ。」
前を、向いている。
私が、ちゃんと、生きている。
「暁里、いつまでそこに座り込んでるつもりだったの?」