もしも、もしも、ね。
「ま、そうと決まればさっさと裕哉を落とすことだな。」
「へっ!?」
突然振られた言葉に、私はマヌケな声を上げて顔を向けた。
驚くことか?と言わんばかりに彼はきょとん顔。
だ、だだだだだだって!
「お、落とすって・・・ッ!!」
そんな軽く言われても。
だって、そんな魅力もないし、何すればいいかわかんないし、自信だって無いし。
それに何より。
私、本当にユウと付き合う方向で話が進んでるかと思うと、
身勝手な罪悪感と共に恥ずかしさが脳を支配する。
「あのな、暁里?」
パニックに陥ったように口をパクパクさせる私に准君は何やってんだよと笑う。
それから、少し真剣な顔をして、じっと私を見つめた。
「ん?」
私も、小さく深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
それから真っ直ぐ准君の顔を見返して、準備が出来たという意の相槌を打った。
「俺、裕哉の女は暁里しか許す気ねぇから。」
―――・・・。
なんか、私今すごいこと言われた?
どうリアクションを返せばいいか分からずパチパチと瞬きをして、
判断を仰ぐように親友を見る。
望果も、ぽかんとしたまま穴が開くほど准君を見つめていた。
「えーっと・・・なんで、か、聞いてもいい?」
詰まるように問いかけると、准君は仁王立ちになって胸を張った。
「理由はねぇ!!」
「「はあッ!?」」