もしも、もしも、ね。


「それに、暁里に敵わないって思ったのもホント。」

「―――そんなことない。みぃは・・・。」



みぃは、本当は純粋で明るい子。

見た目はいまどきだけど、中身は子供のように純粋で。

いつも前を向いている力だって持ってる。

みぃは、何に関してだって私よりずっといい女の子だよ。

まだ涙腺が緩んでいるのだろうか。

すこし泣きそうになっていると、

昔のような自信たっぷりの笑顔を彼女は見せた。



「まぁ、トータル的にみぃの方がいい女なのは当たり前なんだけど。」

「おい。」



シリアスな雰囲気返せ。

思わず涙も引っ込んだし。突っ込んじゃったし。



「だって、裕哉の隣にいる暁里が自然に見えたんだもん。

あたしは裕哉に気に入られることしか考えてなかったのに、

暁里はすごい自然体で、

裕哉だって見たこと無いくらいいきいきしてて、

負けたなって素直に思った。」



いや、それは関係上媚び売る必要がなかっただけなんだけどな。

そう思った・・・けど。

聞き逃せない一言。



“裕哉だって見たこと無いくらいいきいきしてて”



私はともかく・・・ユウも?

ユウは私のこと嫌いだったはずなのに。

別に好きな女の子がいたはずなのに。

なのに、ユウも自然体でいてくれたって・・・少しだけ、自惚れたくなる。



「みぃは暁里になりたかったんだよ。」

「・・・。」

「このあたしがなりたい女が、このあたしが好きだった男手放すなんて事、

見過ごすこと出来ないじゃん?」



そう言って目を細めたみぃの笑顔はなんだかぐしゃっとしてて、
モデルさんみたいな綺麗な笑顔じゃなかったけれど、

私には一番可愛い笑顔に見えた。

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