もしも、もしも、ね。
この子ともちょっといろいろ合ったけど、こんな仲になれてよかった。
私は思わずくすりと笑ってしまう。
みぃ、ありがとね。
みぃのことも、好きだよ。
・・・散々人のこと馬鹿にして、言ってやるはずもないけど。
「みぃにしては義務なんて言葉知ってるんだ。」
「む。馬鹿にして。」
「じゃぁ義務の反対は?」
「―――・・・禁止?」
「はい、バーカ。」
答えは権利だよ。
そう言ってあっかんべーをしてやると、彼女は「うるさいこの堅物優等生!」と叫んだ。
けれど、お互いその顔は緩んでいて。
それから、二人で顔を見合わせて笑った。
彼女がいたって気にしない。
私はまだ自信持ちきれないけど負けない。
望果。
准君。
みぃ。
ありがとね。
でも、自己中なのは私だけ?
―――違う、私、この馬鹿男も同罪だと思う。
こいつは何度人の鼻っ柱を折れば気が済むんだ。
私のその夜の出来事を、このときいったい誰が想像していだのだろうか・・・