もしも、もしも、ね。


「体育祭?」

「当たり。今日の放課後、少し話し合いすることになってたんだぜ。

だから、教室に人が残ってることはわかってた。」

「私、知らないよ?」

「当たり前。だって宮崎がみんなにそれ言ってた時、暁里いなかったし。」



ちなみに、昼休みね。

そう言ってユウは口角を上げた。

あ、宮崎、っていうのは望果のこと。宮崎望果(みやざき もか)。

確かに私は大抵昼休みはここ、屋上に来る。教室にはあまりいない。

だけど・・・



「だからって、個人的に誰かが私に教えてくれてたかも知れないじゃない。」

「それはないない。」

「何それ?」

「話合い参加者は、騎馬戦と二人三脚出場者。

暁里には関係ないだろ?誰もわざわざ伝えねぇって。」



なるほど。確かに私はハードル走だ。



「なんで私に関係ないって知ってるの?」

「俺が二人三脚に出るから。女子にお前がいないのくらいわかるだろ?

騎馬戦は男だけだし。」



やっぱり頭がきれるなぁ。

思わず舌を巻く。



「なら、いいの?

さっきも今も、話し合い出ないでこんなとこいて。」

「いーって。めんどくさいし。」



なんていう投げやりさ!

とはいえ、私は追及を優先したくてまた口を開いた。



「じゃぁ、どうして伝わってるってことはわかったの?」

「あー、あの1年、結構有名だから。」

「そうなの?」



確かにかわいい子だったけど。


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