もしも、もしも、ね。
キーンコーンカーンコーン・・・
私たちの会話を引き裂くように予鈴がなる。
「ヤバッ!」と望果が口調を普段どおりに戻って慌てた。
ここから音楽室までは少し遠い。
「急ごう!」と言うと同時に駆け出した彼女の後を追いかけた。
―――付き合いなおしてからもうすぐ2週間が経とうとしていた。
私はまた繰り返してしまうんだろうか。
また、苦しい世界に自ら我が身を投げてしまうんだろうか。
そうしたくない。
私は変わらなきゃいけない。
世界を変えなきゃいけない。
分かっているのに、
―――時間は、決して待ってくれないのだった。
カレンダーは12月。
世界は一面の冬景色。
私とユウが再び別れるまで、あと・・・10日。