もしも、もしも、ね。


「私、その人のために、周りの人のために、自分のために・・・がんばろうと思うんだ。

だから、陸斗にはきちんと話をしておきたかった。」



謝って、

それと、まだ伝えたいことがあった。



「陸斗、逃げ続けてごめん。

それから・・・」



それから、ね。



「私、あのとき少しだけだけど、陸斗に本当に恋してたよ。」



貴方の表情、貴方の声、貴方の癖。

全部全部覚えている私。

大嫌いで憎たらしくて仕方なかったのに、忘れることが出来なかった。

それは、貴方を好きだったから。

それも、私が気付いたことだった。



「陸斗のこと、大好きだった。

私、陸斗に出会えてよかった。

陸斗と付き合えてよかった。

陸斗がいてくれたから、今の私がいる。

―――今なら、そう思えるの。」



そう結論が出るまで、3年もかかってしまったけれど。

許されなくてもいい。

私は、全力で、全身で、ユウに向かいたかった。

そのために、何をしなきゃいけないかわかっていなかったけど、今日陸斗の顔を見た瞬間分かったの。

まず一つは、貴方への思いを断ち切ることだって。

それは未練とか、執着心とか、そういうのじゃなくて、私を縛り続けていたこととの、決着だった。

だから、陸斗に私の過去の、今の気持ちを話さなきゃいけないと思った。

それが、今の言葉達だった。



黙って私の言葉を聞いていた陸斗は、まだしばらく沈黙を保って。



そして、


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