もしも、もしも、ね。
私のグループは至ってシンプル。
グループ1:親戚
グループ2:場所
グループ3:学校の友人
グループ4:塾の友人
グループ5:その他
彼氏は一体どこ?
偽造だけど、“彼氏”ってのはどこ?
少し考えてから、私は5番を押した。
「おい!!!」
その瞬間入る声。ちゃっかりと裏手ツッコミ。
覗き込んでいたユウのものだ。
何よ、と顔を上げれば苦笑された。
「何、その他って。」
「だって、どれにも入らないじゃない。」
“彼氏”でしょ?
場所は論外。
友人じゃない、親戚でもない。
だとしたら消去法でその他。
「お前なぁ・・・。」
呆れたように呟いたユウは「貸せ」と携帯を取り上げた。
私が止める暇もなく。
そして、ユウに似合わないピンクの携帯はいじられ続け、返されたときには―――
「ちょっと、何よコレ。」
「合ってるだろ?」
「合ってるけど。こんなの、永久にグループ属するの0人か1人じゃないの。」
「二股とかすればいいんじゃね?」
ふざけた会話。ちょっと本気の会話。
でもなんだか、楽しいって感じる私がそこにいた。
携帯の画面。
【グループ6:彼氏】
開けば名前はたった一つ。
【篠田裕哉】