もしも、もしも、ね。
運命の日まであと6日。
久しぶりにユウと帰った。
私、普段どおりに振舞えていたのだろうか。
ちょっとドキドキした。
ユウの自転車の後ろに乗って行ったのは近所の公園。
屋台で出ている肉まんがすごい美味しくて、
二人で夢中で頬張った。
ユウったら、お昼ごはん購買で買い損ねて食べてなかったんだって。
だから2つも食べてた。
思わず笑っちゃったけど、私自分の立場も忘れて、
貴方のかわいい行動に心臓壊れそうだったよ。
恋、ってこんなものだったっけ?
―――やっぱり陸斗と貴方は違う。
そう思ったら、もっともっとユウを好きになったの。
運命の日まであと5日。
ついに片手で足りるようになっちゃった今日は終業式だった。
やってくる冬休み。
もしかしたら、こんな風にユウと学校にいれるのは今日が最後かもしれない。
呼吸が苦しくなりそうで、ユウを見ることが出来なかった。
同じように中々会えるかわからない望果と准君とみぃが私のところに来てくれた。
望果は「がつーんと行っちゃえ!」なんて気楽で、
准君は、「当たって砕けちれ。」なんて喧嘩売るようなこと言うし、
みぃはみぃで、「心配なんてしてないから!」と相変わらずのツンデレぶり。
みんななりの“ガンバレ”、ちゃんと伝わったからね。
―――とはいえ、私何をすればいいのでしょう。
こんな毎日は、やっぱり何も出来ずに過ぎ、
あっという間にあと4日。
冬休み一日目の今日、私は起きてすぐにカレンダーを見た。
そして、
「―――あ。」
ユウと別れる日。
その事実ばかりに夢中になって、気がつかなかった。
私は、赤でぐるぐると囲んであるその日をそっと指でなぞって思わず呟く。