もしも、もしも、ね。
「クリスマスだ・・・。」
そう。
私とユウが予定上別れる日は、皮肉にもクリスマスその日だった。
世界中の恋人達が幸せに溢れかえる日。
イエス様が生まれた、聖なる日。
子供達がサンタに胸を膨らませる日。
―――そんな日が、私の運命の日だった。
赤丸をつけたのは、ユウと付き合うことになった約3ヶ月前のこと。
私は、きっと「さっさとこの日が来ればいい!」とむしゃくしゃしながら投げやりに印をつけたのだろう。
小学生の男の子がつけるような乱雑なマークに、思わず苦笑した。
今の私なら、どんなマークをつけるのかな。
ハート?
お花?
普通に丸とか?
・・・ハートが割れるマーク。
っていやいや!!
私は首を大きく左右に振った。
縁起が悪いこと言うなっつーの、暁里!!
「だって、別れるって決まってるわけ、じゃ・・・」
あれ?
私は独り言を呟きながらはたと気がつく。
だって、この日はユウと別れる設定ってずっと前から決まってたよね?
―――別れないって結末、起きるのかな?このままで。
どうして気がつかなかったんだろう、私。
思わず両手で両頬を押さえた。
ちょっと整理してみよう、私。
このままじゃユウと別れる。
私は別れたくない。
別れたくない、イコール、ちゃんと付き合いたい。
ちゃんと付き合うためには・・・
「告白、しなきゃいけないってこと、だよね・・・?」