もしも、もしも、ね。


―――私は、ただただ自分が惨めになった。



容姿だってもちろんだけれど。

ユウの隣に並んだときの不自然さ。

ユウに向かい合う姿勢。

私が過去にしでかしたこと。

―――私は、ユウの隣に並ぶ資格、あるのだろうか。



自分がしたことを忘れたフリをして、

ただ望果や、准君や、みぃや、陸斗の言ってくれる嬉しい言葉を真に受けて

ただ一人浮かれていた。

何がケーキよ。

何が明日は決戦よ。

ユウが、振り返ってくれるとも限らないのに。

むしろ元々振られる確率のほうが高かったのに。

こうして打ちのめされてやっと自分の立場に気付いた。



・・・バカじゃないの?私。



そう思った瞬間、私は二人に背を向けて走り出した。

帰ろうと思ったけれど、

何も買わないのは不自然だし、

一応ラッピングしないと教えてくれたお母さんに失礼だと思って、

遠回りしてスーパーに寄って一番安くて一番質素なラッピングのものを買って家に帰った。

そんなのでいいの?

驚いて問いかけたお母さんに、

目立つの嫌いな人だから。

と笑った。

私、笑えてたかな?

本当は、女の子らしい繊細で可愛いラッピングにしようと思ってたのに。


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