もしも、もしも、ね。
『だって・・・なんだよ。』
「だ、だって、びっくりしたんだもん。久しぶりだから。」
『そこまで久しぶりか?変な暁里。』
クスクス笑うユウの声に胸がきゅんとして、
心臓をつかまれたような痺れを覚える。
またじーんと目の奥が熱くなるけど、それを必死に我慢した。
「そ、それで、一体何の電話よ。」
あぁ、私可愛くない!
泣きそうなのを隠そうとしたら、つっけんどんな言い方になってしまった。
案の定ユウは疑うように『何怒ってんだよ。』と聞いてきて、
それに「別に」なんて答えちゃう私はもっともっと可愛くない。
こんなんで私明日素直に告白とか出来るんだろうか。
『まぁ、本題言うけど。』
「んー?」
『明日。』
ドクン、と心臓が大きく音を立てた。
明日・・・というか、分かれる日のことをユウの口から聞くのは初めてのことで、
何を言われるんだろうと身構える。
ドクドクと全身が心臓になってしまったかのように音が煩くて、周りの音なんて聞こえない。
苦しいような泣きたいような気持ちがさらに大きくなって、
呼吸の仕方がわからなくなりそうだった。
それでも私の全神経は小さな機械の向こうにいる思い人。
聞きたい。
聞きたくない。
それでも、時間は止められない。
ユウが続きを言うことも、
―明日、が来てしまうことも―