もしも、もしも、ね。
連繋-レンケイ-
*1*
「は「はい。」い・・・・・・」 カラーン
また繰り返されるこの音の連なり。
広い校庭に風が吹き、人数を感じさせない静寂。
音を起こした張本人である私と相手は一緒にため息を吐いた。
「あのさ、二人ってホントに付き合ってんの?」
呆れたような声が私の後ろに掛かる。
トレードマークの二つ結びにショッキングピンクのボンボンをつけている、声の主。
私はおそるおそるそれを振り返った。
「望果・・・。」
「なんでそんな面白いほど気があわないわけ?」
私が聞きたいわよ。
その言葉を飲み込んで、私はガクリとしゃがみ込んだ。
すると見かねてくれたのか、望果が校庭に散らばるクラスメートに向かって叫ぶ。
「今日のリレー練習は終わり!
これから男子は騎馬戦、女子は借り物競走の練習でもしててーっ!!」
いや、アバウトすぎるでしょ。
私のツッコミはクラスメートも同様らしくて。
「って宮崎、俺たちはちまき持ってきてねぇよ!!」
「適当に喧嘩してれば腕力付くわよぉ。」
「意味わかんねーっ!!!」
「望果ーっ、私たちだって何借りればいいかわかんないんだけどー。」
「適当適当ー。校長でも動物でも鉄棒でも適当にやっちゃってー。」
「最後無理ーっ!!」
なんて会話がなされていた。
言っておくけど、望果の言う「適当」は広辞苑で言う「ほどよくあてはまること」じゃないからね。
「いいかげんであること」の方だからね。