もしも、もしも、ね。
何?と隣を歩きながら問いかけると、「いや・・・」とユウが口元を押さえる。
「暁里ってそんな大人しかったっけ?」
「え?遠まわしに煩いって言ってる?」
「いや、そうじゃないんだけど・・・」
ユウは言葉を濁すと、ちらりと横目で私を見た。
クエスチョンマークを浮かべて首を傾げると、彼はなんでもないなんて言う。
本当に変なユウ。
―――って、ユウから見たら私も変か。
自己完結をしながら、またユウの隣を歩いた。
自分のペースを乱さず、決して歩みを遅らせない彼の隣を。
少しぐらい遅く歩け、女の敵め。
そう思い出した私も、きっと自分のペースを思い出してきてるのだろう。
ネバーランドは、徒歩10分ぐらいの距離にあった。
道を歩く人はほとんどネバーランドに行くぐらい、人は多い。
車も渋滞しているようだった。
これじゃぁチケット取るだけで時間掛かりそうだなぁ。
と思うと同時に、ユウのはや歩きの理由に気付く私。
なので、当たり前のようにチケット売り場に向かう。・・・向かおうとした。
「え?」
ユウが私の腕を掴んだ。
引き止めるような仕草にきょとんと彼を見上げると、
彼は上着の胸ポケットから細長い紙を2枚出す。
「え?」とまた私は呟いてしまった。だって、それは―――