もしも、もしも、ね。
*4*
***
「おー来たか・・・って暁里どうした?疲れてね?」
「だ、だって、恵理奈ちゃん赤信号無視するし、車道走るし、坂道にブレーキは使わないし・・・ッ!!」
「恵理奈―。警察の前だけは通るなよ?」
「はぁい!」
「突っ込むのはそこじゃないでしょ、馬鹿陸斗!!」
脱力して玄関にしゃがみこむ私の耳に、陸斗の能天気な声と恵理奈ちゃんの元気な声が飛び込んでくる。
もう心臓が何個あっても足りないという危険性とスピードとスリル。
思い出しても鳥肌が経つ。
まだまだ息の整わない私に「とりあえず上がれよ」という陸斗と「何飲みますー?」という恵理奈ちゃんの声。
こ、この非常識さと能天気さ、本当に兄妹かもしれない・・・ッ!!
私はふらふらとした足取りで靴を脱ぎ、
「お邪魔します」と蚊が遠くで鳴くような声で挨拶しながら上がりこむ。
そしてまっすぐ廊下を進んだ突き当りのリビングで、固まった。
「どうして・・・ッ?」
「―――・・・よぉ。」
だって、そこにいたのは、