もしも、もしも、ね。
もうわけが分からない。
私が眉間に皺を寄せると「要するに」と一番聞きたくて聞きたくなかった声が聞こえた。
ユウの・・・声。
「恵理奈は・・・」
どうせ恋人なんでしょ?
誤解っていうぐらいだから恋人じゃなくて、婚約者だとか?
覚悟してぐっと息をつめた私に、運命の一言が告げられた。
「俺の従兄妹。」
「そうでーす!正真正銘、裕哉の従兄妹でーす!」
「へぇ、そうなんだ。従兄妹―・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・って、は?」
え?と繰り返し呟きながら、私は恵理奈ちゃんとユウの顔を見比べる。
「い、従兄妹?」確認のためにもう一度呟くと、二人はそろって息ぴったりに頷いた。
「だって、恵理奈ちゃんは陸斗の妹って・・・あれ?じゃぁ陸斗とユウも従兄弟なの?
でも文化祭で会ったとき初対面だったよね?
―――あれ?でもそれだと恵理奈ちゃんとユウの仲の良さがおかしくない?」
一気に疑問が噴き出す私を陸斗が「落ち着けって」となだめる。
「まぁ、色々複雑なんだよ。」
「そんなんでまとめられても・・・」
「簡単に言っちまえば、俺と恵理奈は異母兄妹なんだわ。」
不満を言おうとした私は「え?」と言葉を飲み込んだ。
複雑、なんて聞いたってそこまで深くはないと思っていたから。