もしも、もしも、ね。
「野生の本能?」
「せめて勘と言ってくれ。」
私が聞き返せば、返ってくる裏手ツッコミ。
なんだか、彼と話すといつもこんな感じなんだけど。
私ボケじゃないのにな。
「べっつにー?なんもないよ?」
「ホント?」
「っていうか、思い当たる節はなくないけど、話そうとすると難しい?みたいな?」
みたいな?って一昔前のギャルみたい。
私の言葉に「ふむ」と佐久間君は手を顎に当てた。
考えるポーズ、らしい。
目の前では手作りのタマのお面をかぶった女の子同士が全力疾走していく。
「ま、どうせ今更解決できないしさ。」
「そーなの?」
「うん。」
体育祭になっちゃったし。
その言葉を飲み込んだ。
「仲直りはいつかしなよね。付き合ってんデショ?」
「・・・・・・・・・・・・まぁ?」
「何、そのわざとらしい間。」
出た、本能。
なんでばれるの。今の間がわざとって。
「実は、桜野は別れる気満々とか?」
「そんなこと、ないけど。」
「なんだかんだ好きだねぇ。」
「まさか。」
おい、本能。
なんでそこには気づかないんですか。
あと、そんなことないって言ってごめんなさい。
三ヶ月後に別れまぁっす。