もしも、もしも、ね。
突然の謝罪に私は目を瞬かせた。
バツが悪そうに、ユウは自分の頭を掻く。
「准に、めっちゃ怒られた。
お前は細かいこと気にしすぎ、とか、変なところに真面目、とか。」
「・・・。」
望果も言ってたな、と思いながら私はユウの横顔を見つめる。
「あと、そんなことしたら、お前が・・・負い目感じないわけがないって。」
「・・・。」
「自己弁護するみたいだけどさ、俺は俺なりに気使ったつもりだったんだよ。」
口を閉じたり開いたり。
唇を舐めたり、視線を落としたり、無駄な手の動きをしたり。
「結局、お前に嘘付き合わせてるんだしさ・・・したく、ねぇよなって。」
ユウが緊張してるのがわかる。言いにくいことを一生懸命言ってくれてる。
「でも結局はそれってエゴで、お前に嫌な思いさせちまったな・・・って。
准に怒られて気づいたって情けねぇんだけどさ。」
「ユウ・・・。」
「悪かった、な。ごめん。」
真っ直ぐな言葉が、耳に入り込んで。
低い声が、頭を震わせて。
深い深い気持ちが、胸の奥をぎゅっと掴んだ。
「私こそ、ごめんね。ユウの気持ち、全然気づかなかったよ。
ユウなりの優しさだったのに、私自分や回りのことばっかりで・・・。」
そう。私にだって悪いところはあった。
ユウの優しさを怒鳴って。
ユウの心使いに勝手に泣いて。
「ごめんね。」