もしも、もしも、ね。

「暁里。退場、だって。」



泣き声の望果に腕を引っ張られる。

退場門を通らず、私たちは直接クラスメートの元に戻った。

泣いてるかな。悔しがってるかな。

ごめんね。















「「「「「「「「「「「「「「「おかえりーっっっ!!」」」」」」」」」」」」」」」

「「「「・・・はい?」」」」



無駄に明るく迎え入れられ、私たちはあっけにとられた。

かなりのシンクロ率。



「准君やっぱ足早いんだねぇ。」

「っていうか、望果走り方変!どうしてあれで早いのぉ?」

「桜野さんもあんな真剣な顔するんだねぇ、びっくりした!」

「裕哉かっこよすぎだよぉ~。」



え?え?・・・えぇ?

目を白黒させていると、クラスのまとめ役(名前不明。通称“いんちょー”)の男の子がにこにこ笑って私たちの前に立った。



「お疲れ様、四人とも。」

「いんちょー・・・。」

「頑張ってくれたの、僕たちはちゃんとわかってるよ。クラスメートだし。」



癒し系の優しい笑顔。

私は前を見ていたけど、望果が隣で泣いてるのがわかった。



「それじゃ、みんな。せーの。」

「「「「「「「「「「「「「「「ありがとーございましたっ!!」」」」」」」」」」」」」」」



小学校低学年みたいな声のそろえ方。

だけどなんだか嬉しくて。安心して。

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