もしも、もしも、ね。
「あれ?暁里赤くない?」
「走った後に望果が抱きついてるから暑いのよ!!」
「あはは、そっか。ごめんごめん。」
納得してくれて、望果は私から離れた。
―――それにしても、びっくりした。
なんでユウの言葉に暑くなるんだか。赤くなってたってほんと?
・・・ま、いっか。
男慣れしてないだけでしょ。
っていうか、言うのがユウじゃなくたってきっと照れるもの。
あんなこと言われたら恥ずかしいに決まってるよね?
そうよ。そうに決まってる。ユウなんて無関係よ。
『これより、閉会式を始めます。』
放送が掛かると同時に、観客席にいた生徒達が一斉に動き出した。
無論、私たちのクラスも一緒で。
閉会式に一丸で向かいながら、望果が叫んだ。
「2B さいこーっ!!!」
「「「「「「「「「「「「「「「さいっこーっっっ!!!」」」」」」」」」」」」」」」
いつもなら「ばかじゃない?」って思うのに。
私も“2B”の一人であることが嬉しくて、
胸が躍った。
閉会式。
赤組は3位。
上からも下からも一緒。ある意味一番平凡。(大富豪で言う「平民」よね。)
MVPには、ユウと、ユウとアンカー争いをした青組の男の子。
息を飲む熱戦を繰り広げたからだって。
理由を言われたときに思わず小さく吹き出したら、准君と望果から頭をぽかっと殴られた。