もしも、もしも、ね。
*4*
***
「なぁ?」
「ん?」
「なんでお前突然出来るようになったわけ?」
「何の話よ。」
今は打ち上げに向かう途中。
最後尾を私とユウは歩く。(だってやる気ないもの私たち)
「バトン。」
「・・・あぁ、その話。なんでだろうね?」
「はぁ?」
何言ってやがんだ、とでも言いたそうな顔。
「教えてあーげない。」って私はつんと顔を前に背けた。
望果や准君は、こういうイベント事を率先してやって盛り上げる係。
今もみんなの輪の中で大騒ぎしてる。
「教えろよ。」
「いーや。」
「なんで?」
「なんでも。」
「・・・。」
「結果オーライなんだからいいでしょ?」
そう言っても、ユウは無言で。
私はため息をついて、ヒントをあげることにした。
「じゃ、ヒントね。はい、ユウ。手出して。」
「へ?」
間抜けな声を上げつつ手をだすユウ。
私はそっとその手をとって、手を繋いだ。