もしも、もしも、ね。
躊躇せずにマキロンをドバッと掛けられ、
指から手の甲、腕へと電気のようなしびれが走る。
「アンタの辞書に遠慮って文字はないわけ!?」
「ない。」
だろうね。
あまりにしみて小さく貧乏揺すりをする。
その痛がり方を見ていたユウは「やっぱばい菌はいってんのかな。」と、
もう一度遠慮もなしにマキロンを掛け(やがっ)た。
「~~~ッ。」
「いい反応。面白い。」
面白くない!!!
「暁里って痛いの苦手なんだ。」
「苦手じゃない人いたら、それマゾって言うと思うよ。」
「あはは。で、暁里は苦手なんだ?」
久々に見た柔らかい笑顔に心臓がどきんと跳ねた。
・・・いやいや、どきんって何よ。
久しぶりだからびっくりしただけ。そう、驚いたのよ。
私は自分に言い聞かせる意味をかねて必要以上に大きく深く頷いた。
「痛いのも、痛そうなシーン見るのも・・・嫌い。」
「ふーん。」
「聞いておいてそのリアクション何。」
「いや?暁里もかわいいとこあんだなーって思った。」
・・・。
・・・。
・・・・・・・・・ッ!!?
「暁里?」
「ふ、普段かわいげなくて悪かったわねッ!!!」