もしも、もしも、ね。
「・・・ユウ?」
「あ、いや。っていうか、あのさ。」
しどろもどろなユウも初めて。
何?やましいことでもあるの?
「桜野さんとソリが合わなくってぇ、
一緒にいても疲れるから美香ともう一回買い出し行くんだよねぇ?」
「美香ちゃん!!」
ふーん。そういうこと。
私とソリが合わない。 一緒にいても疲れる。
そんな風に思ってたってわけ。
慌てたユウは肯定の印。
「だったらさっさと行けば?」
「暁里。違う、誤解・・・ッ!!」
「行ってきなよ。どうせ私と行っても喧嘩するの目に見えてるし。」
「あかっ―――」
「ほらぁ、桜野さんもそう言ってるし、行こッ?」
美香さん(たぶん同じクラス。見たことある気がする)は、
絡めた腕に力を込めて更にユウにべったりとくっついた。
その瞬間、ブチィッと脳で何か切れた音が響いて。
「どうぞごゆっくり!!!!!」
ユウが何か叫んでいたのを無視して、私は保健室を後にした。
もちろん、ドアを閉めるときは、思いきりバンッと音を立てさせて。
「何よ、何なのよ。」
イライラを表すかのように大股で教室までの廊下を歩く。