もしも、もしも、ね。

私のこと、そんな風に思ってたんだ。

あと半分の付き合いすら、どうせめんどくさいんでしょ?

どうして私なんかを彼女にしたのよ。

どうして私なんかを相手にしてんのよ。

どうして私なんかを・・・!!



ちょうど階段の踊り場から、校門が見える。

そこからは腕を組んだままのユウと美香さんの姿。

私はぐっと喉に力を入れた。



「篠田なんてきらい・・・っ!!!」



小さく呟いて、窓に背を向ける。

それから、ずるずるとそこにしゃがみ込んだ。



望果。なっち。ともちゃん。つーか、学校中の女の子皆々様。

アイツ、みんなが言うほど良い奴じゃない。

つまらない女を、嘘で彼女にする奴だよ。

言い訳に女を利用する奴だよ。

好きでもない女に、甘い言葉を素で掛ける奴だよ。

彼女いたって、別の女と出かけられる奴だよ。



「嫌いだよ・・・ッ」



この気持ちはなんだろう。

悔しいの? 悲しいの? 寂しいの?

胸の中がもやもやしてる。

ぐちゃぐちゃが気持ち悪くて、私はこう言うしかないんだ。



「篠田、なんてっ・・・大、嫌い・・・ッ!!!」



こう言うしか、私は自分を守れなくて。

こう言うしか、私はこの気持ちの解き方を知らなくて。

こう言うしか、私は私の不可解な気持ちに蓋をできなかった。


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