もしも、もしも、ね。
「あっれー?どうしたの?暁里。」
「・・・准、君・・・。」
どれくらいそうしてたんだろう。
声を掛けられて顔を上げれば、いつものにかっとした笑顔の准君。
ちなみに、体育祭の一件から私と望果とユウと准君はかなり仲良くなり、
今はお互いがお互いを名前で呼んでる。
「准君、今日来てた・・・?」
「今来た。」
「今って・・・。」
今、もう放課後なんですけど。
私の気持ちがわかったらしく、准君は困ったように頬を掻いた。
「望果から呼び出し。文化祭の手伝いしろって。」
なるほど。
「今日は力仕事が楽になるのよ。」って浮かれてた望果に納得がいった。
「ところで、裕哉は?一緒じゃないの?」
唐突な質問。
答えられなくて私は黙り込み、視線を下げた。
すると、小さく息をついた准君の言葉。
「なんて、意地悪か。この質問は。」
「・・・え?」
「さっき校門ですれ違ったから。
ユウとえーっと・・・荒川さん?が一緒にどっか行くのに。」
「そっか。」
知ってて聞くなんて意地悪にもほどがある。
「もしかして、暁里がここにいたの、それに関係ある?」
なんて答えればいいかわからなかった。