もしも、もしも、ね。
あぁ、私はどんな顔をしている?
きっと可愛くない顔をしてる。
荒川さんと全然違う顔してる。
まっすぐで真っ黒な髪の毛、化粧一つしてない顔。
それで表情まで固まってるなんて、私最悪の表情ブスだ。
「裕哉ー!お前帰って来たんなら手伝えよ!」
遠くから叫ぶこの声は准君。
「あぁ」と答えてユウはちらっと私を見た。
「行ってきたら?」と言えば、ユウは何も言わずに私から離れて行く。
それに、思わずほっとする。
(本当に准君には助けられるわ。ありがとう!)
「ちょっと暁里ちゃん、どういうこと?」
安堵の息を付いた瞬間コソコソとともちゃんとなっち、そして望果が寄ってきた。
その目は心配と同時に好奇の色を称えていて。
「どういうことって?」
「だぁかぁらぁ!!」
私が少しはぐらかしてみれば、じれったそうになっちは私を睨む。
予想通りのリアクションに、そして可愛らしいなっちの顔に思わずクスクス笑った。
あっという間に声も顔も直る自分に、自分のことながらびっくりする。(ユウって本当に私のストレスの種だって痛感する!)
「ごめんごめん。だって買い出し行ったって言ったでしょ?」
「でもあの子と一緒だなんて!」
「荒川美香、裕哉君狙ってるって有名だよ~?」
「さっき私が言ってたの聞こえなかった?私全然気にしてないよ。」
にこっと微笑んで見るけれど、3人は顔を見合わせた。
その顔は私よりずっと曇っていて、納得いってない様子は一目瞭然。
望果は、眉間に皺を寄せたまま私に視線を戻す。
「暁里、それでいいの?」
「それでって?」