もしも、もしも、ね。
“それでって?”という言葉は本心?それともただのポーカーフェイス?
自分でも分からないまま、ただ深く話したくないと思って、
私は誤魔化すように首を傾げた。
「・・・・・・なんでもない。」
望果は何度か口を開いて閉じて。
結果、苦虫をかみつぶしたような顔をしてそう答えた。
「いいんだよ。これが私とユウの形だからさ。」
それは、自分に言い聞かせた言葉でもあった。
なっちとともちゃんは、「そっか。」と身を引いて自分の仕事に戻り出す。
望果は、と言えば。
「暁里。」
「ん?」
「これを最後の言葉にしとくけど。」
「何。」
視線を手元に落としながら、望果は、ポツリと呟いた。
「人に順番つけちゃいけないって分かってる。」
「・・・。」
「でも、暁里と荒川さんと裕哉君だったら、望果は暁里が一番大事。
だからね。
暁里が一番幸せな方向になるように協力してあげたい、って思うよ。」
望果には怒られると思ってた。だからこの言葉は予想外で少しだけ目を見開いた。
望果が「何そのリアクション」って口を尖らせたから、慌てて手を振って否定して。
徐々にこみ上げる嬉しさに口元を綻ばせながら、いい親友を持ったなぁなんて思って。
「ありがとね。」
って言った。望果も嬉しそうに笑った。
ごめんね、と罪悪感が胸の奥を突き刺す。
スルリと針の穴に通った糸が、なぜだか無性に私を悲しくさせた。