クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
柏原さんに言い寄られて、あっさり惚れて、振り回されて。
いや、勝手に振り回されてるのかな……信じてって言われたばかりじゃん、私。
好きだって言ってくれているなら、それを信じないで何を信じると言うのだ。
「大丈夫、大丈夫……」
呟いて、ビールで流し込む。
そっと目を閉じれば、いつだって彼が浮かぶ。太陽みたいにやんちゃな笑顔、仕事中の真剣な顔、楽しそうに話す声、触れる指先の優しさ。
つき合い始める前から、彼は強引なようで気を遣ってくれていた。
私を大切にしてくれて、構えないときだって連絡してくれて……。
同じことを何回もループさせて、不安を心の視界から押し出す。
恋愛に依存するタイプじゃなかったはずなのに、久しぶりに恋に落ちたら、やり方を忘れてしまったみたいでうまく乗りこなせない。
それだけなんだと思う。
彼が悪いんじゃなくて、私が恋から遠ざかりすぎただけのこと。