クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
虚無に襲われて、ぼんやり空(くう)を見つめる。
さっきまで携帯で照らされていた僅かな距離も闇に取り込まれて、カーテンの向こうに広がる夜と大差ない。
終わっちゃったのかな。
まだ、私は好きなのに。
納得できてないのに、彼がそうしたいからって受け入れるものなの?
処女じゃなかったら……経験がそれなりにあって男慣れしていたら、ちゃんと構ってくれたの?本気で恋をしてくれたの?
最初から、こうするつもりだったんじゃないのかなって、今さら気付く。
久しぶりに恋をしたら、派手に顔面から転んでしまったみたいで恥ずかしい。
大泣きしたいのに、声を押し殺して地味に泣くしかできないなんて、寂しい女だ。
彼が本気で私を好いてくれた時間があったなら、その時まで戻りたい。