クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
温泉旅行は試練のはじまり
「もう今日は終わろう。お疲れさま」
ノートパソコンを閉じて、千堂部長が先に部屋を出た。
その声は明らかに呆れていて、引き締まった表情が不機嫌に感じる。
……それもそうだろうな。
今日は予定していた企画打ち合わせで、この日までに前回が終わってからそれぞれ毎日考えて、一生懸命取り組んできた。
これだけが仕事じゃなくて、他の案件や部内の様々な社内処理を引き受けたり、みんなやることがあって忙しくしてる中で……。
「だから、瀬織さん担当じゃないほうがいいんじゃないかって言ったんだよ」
次いで、部屋を出る先輩社員が呟いた。
私に聞こえるように言ったのかどうかは分からないけれど、確実にダメージを食らった。
はぁーあ、と深くて重苦しいため息を残して、同僚が席を立つ。
ホワイトボードに大きく×(バツ)を書いて、私が残したメモが全否定された。