クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
「企画、何がどうなって、あんなことになる?」
「あの……すみませんでした」
「前回のほうがずっと良かったのに、それを踏まえてこの仕上がりってあり得ないよ。元どおりどころか、壊してどうする」
両手をぎゅっと握って、問いかけの答えを探す。
壊してしまったなんて、自覚があったかと言われたら、そこまでじゃなかったからだ。
「瀬織さんが、こういう流れにしたかったわけじゃないのはわかってる。でも、さすがに空中分解させるのはいただけない。何か原因があったなら相談に乗ります。今ならまだ引き返せる」
引き返せるだなんて言われたら、涙腺が緩んでしまう。
柏原さんとの恋を終わらせたくなかった私が、望んでいることだ。
引き返せるものなら、どんなことでも後悔せずに済む。
「泣くくらい悔しいなら、ちゃんと仕事で結果出しなさい」
まさか、失恋したせいで暗さと切なさ全開の案に仕上がったなんて言えない。