クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ
扉の鍵がカタンと落とされ、施錠を知った。
千堂部長はそのまま出ていくものだと思っていたのに、彼は肌蹴た浴衣を直しながら私の前に佇んだ。
「暗さに目が慣れてきたな……」
私の荷物以外、他の部屋と大差ない室内を見渡して部長が胡坐をかいて座る。
素顔を見られたら、色々と説明が面倒だ。
私は俯いて髪を前に流し、地味子を貫いた。
「あの、千堂部長は酔っていらっしゃるんですよね?」
「……まぁ、少しは」
「酔った勢いで、ご自分の部屋と間違われただけですよね?」
千堂部長の部屋は、この通路のほぼ反対側にある。
階段を上って、左右を間違えてしまったら私の部屋に辿りついてしまうはず。
「いや、ここが瀬織さんの部屋だって分かってたから来たんだけど」
髪の隙間から覗き見た部長は、いつもとは比較にならないほど色っぽくて、私を真っ直ぐ見つめていた。