クールな上司とトキメキ新婚!?ライフ

「け、結構です。私、こう見えてそれなりに充実……」

「してないから、こんなことになってんだろ」

 こんなことになってますけど、それとこれは別と言うか、千堂部長は地味子の仮面を被った私しかご存じではないはずで……。


「本当に、間に合っていますので」

「何が」

「充実感とか」

「……とか?」

「恋愛、とか」

「言わせてもらうけど、柏原のどこがいい?そんなにいい男か?俺が女だったら、間違いなくアイツは選ばない」

「私だって……!!」


 私だって、柏原さんに堕ちる予定はなかった。
 苦手なタイプだし、社内の人だし。

 でも、恋は理屈じゃないって、よく分かったの。


「溺れ死にかけたくせに、今さら強がるなよ。とにかく、今は俺に掴まれ」


 念を押すように、甘い角度で首を傾げた部長は不敵に笑って、私の隣に潜りこんだ。


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